「天下一品のこってりラーメン、学生時代にはまった」「週に一度は無性に食べたくなる味」──そんな思い出を持つ人にとって、衝撃のニュースが飛び込んできました。
2025年6月、天下一品が首都圏で10店舗を一斉閉店。
あの“クセになるドロドロスープ”が、気軽に食べられなくなる日が来るなんて……。
あなたが最後に食べた天下一品のメニューは何でしたか?
天下一品とは?〜歴史と特徴
概要:
天下一品は1971年、京都の屋台からスタートし、2021年には年商200億円を超えるラーメンチェーンへと成長。現在は滋賀県大津市に本社を構え、全国に店舗を展開しています。
主な特徴:
- こってりスープ:鶏ガラと野菜を長時間煮込んだ、唯一無二の濃厚スープ。通称「食べるスープ」。丼の底に書かれた“あのメッセージ”もファンの間で人気。
- 豊富なメニュー:定番の「こってり」(約940円)に加え、「あっさり」「味噌」「塩」などの選択肢や、餃子・天津飯といったサイドメニューも充実。「こってりMAX」なる激濃メニューも存在しました。
- ファン文化:熱心なファンが多く、毎年10月1日の「天一の日」には無料券配布で行列必至。筆者も渋谷店の長蛇の列に驚いた記憶があります。
2025年 大量閉店の背景と原因
■ 閉店の背景
- 2025年6月30日、首都圏(東京・神奈川・埼玉)で10店舗が一斉閉店
- 閉店店舗:渋谷・新宿西口・池袋西口・田町・目黒・吉祥寺・蒲田・川崎・大船・大宮東口
- 2024年6月にも歌舞伎町店など6店舗が閉店。都内店舗数は1年で約半減(23店→13店程度)
■ 原因1:フランチャイズ(FC)離脱
閉店店舗の多くは直営ではなくFC店。運営元(例:エムピーキッチン、ティーフーズ)の経営方針や契約条件の見直しが影響とされます。
- エムピーキッチンは「三田製麺所」を主力とし、より利益率の高い業態へシフト
- ロイヤリティや広告費、厳格な品質管理(住み込み研修など)によるFCオーナーへの負担
■ 原因2:味のバラツキと信頼の低下
FC店ではセントラルキッチンの濃縮スープを使いつつ、仕込みや独自メニューで味に違いが発生。
- 例:「麻婆ホルモン丼」(大塚フーズ)などの独自色
- Xでは「関東の天一は薄い」との声も多数
■ 原因3:経済的圧力と競争激化
- 原材料費や人件費の高騰、都市部の高賃料が経営を圧迫
- コロナ融資の返済負担も重く、撤退が加速
- 日高屋(420円ラーメン)など低価格店との競合
- 健康志向による「こってり離れ」、深夜ラーメン文化の衰退
店舗数の推移
年度 | 全国店舗数 | 首都圏店舗数 |
---|---|---|
2004年 | 約200店 | ― |
ピーク期(2004〜200?) | 約230〜240店 | ― |
2023年4月 | 223店 | ― |
2024年4月 | 218店 | ― |
2025年5〜6月 | 209店 | 約34店→24店 |
東京都内の営業継続店舗(2025年7月1日以降)
閉店後も、以下の店舗で天一の味を楽しめます。
- 神田店・水道橋店・町田店・中野店・青物横丁店
- 秋葉原店・赤坂店・上野アメ横店・府中中河原店
- 池尻店・立川店・八王子店・高円寺店・錦糸町店・駒沢店・江古田店
※詳細は公式サイトをご確認ください:
https://www.tenkaippin.co.jp/
「テンイチスト」の助け合いを
日常の立ち寄りスポットが次々と閉店してしまった今、SNSなどでの情報共有が力になります。
- 「〇〇店は駅から近い」「接客が丁寧で気持ちいい」
- 「あの支店の天津飯が最高!」
ファン同士で盛り上げて、天一の灯を消さないようにしたいですね。
まとめ:それでも“天一”は唯一無二
閉店は確かにショックですが、天下一品の“こってり魂”は健在です。
「つけ麺」や「具なしラーメン」など多様化するラーメン界の中でも、あのドロドロスープは他にはない存在。
競争はますます激しくなるかもしれませんが──
天下一品がこれからどう進化していくか、注目していきましょう!
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