東京ディズニーリゾート 来園者数は“横ばい”? コロナ後の戦略と現状を読み解く

2025年6月現在、東京ディズニーリゾート(TDR)の来園者数に関して「横ばい」との見方が広がっています。報道やSNSでも話題のこの傾向について、実際のデータと要因、今後の展望を多角的に見ていきましょう。

年間来園者数の推移(TDR全体)

  • 2013~2018年度:約3,000万人超で推移。2019年度に過去最高の3,256万人を記録。
  • 2020年度:コロナ禍で約4か月休園 → 756万人に急減。
  • 2021年度:入場制限下で1,205万人。
  • 2022年度:入場制限緩和 → 2,209万人。
  • 2023年度:40周年&インバウンド回復 → 2,630万人。
  • 2024年度(見込み):約2,800万人(1日平均約7.5万人)。

2024年度上半期(4〜9月)は1,220万人と、前年比で2%減。40周年イベント終了や猛暑が影響したとされています。

来園者数“横ばい”の要因

  • チケット価格の高騰:1デーパスが最大10,900円まで上昇し、来園のハードルに。
  • 年間パスポート休止:2020年以降再開されず、コアファンの来園頻度が減少。
  • 気候と観光動向:2024年の猛暑や国内旅行控えも影響。
  • 新エリアの効果限定:「ファンタジースプリングス」開業効果も予想比100万人下回る。

チケット価格の推移

可変価格制の導入でチケットは年々上昇傾向にあります。

  • 1983年(開業時):3,900円
  • 2014年度:6,900円
  • 2023年度:7,900円~10,900円(初の1万円超)
  • 2025年現在:価格据え置き、値下げ検討中との報道も

背景には、インフレ・人件費増・新エリア投資の影響があります。

年間パスポートの休止が与えた影響

2020年以降、年間パスポートの販売は停止中。これは来園者数やファン層に大きな変化をもたらしました。

  • 入場上限や予約制により柔軟な入園が難しくなった
  • リピーターの来園頻度が低下、特に若年層に影響
  • 混雑緩和により一般来園者の満足度は向上
  • 再開時期は未定だが、代替パスの展開が進行中

顧客単価とその内訳

2024年度上半期の1人あたり顧客単価は過去最高の17,303円に。

  • チケット:9,500円(55%)
  • 物販:3,800円(22%)
  • 飲食:3,000円(17%)
  • その他:1,003円(6%)

単価向上の理由には、物価上昇だけでなく、プレミアム体験や新エリア効果の影響もあります。

「遊びに行く」には覚悟が必要?

1日の費用感を大まかにまとめると以下の通りです。

  • 関東在住:日帰りで約1.8万円
  • 大阪など遠方から:宿泊含め約4.8万円

「ディズニーは高い」という印象は確かにありますが、それでも“特別な体験”を求める人は後を絶ちません。

まとめ:横ばいの裏側にある「変化」

来園者数が「横ばい」とされる今、TDRはファン離れを防ぎつつ、収益性を高める施策を続けています。

特に、年間パスポート休止や値上げといった施策が、リピーター層に大きく影響したことは否定できません。

今後の鍵は、若年層の再獲得と価格戦略のバランス。2025年の価格見直しと代替パスの行方に注目です。

詳細は東京ディズニーリゾートの公式サイトをご覧ください。

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