「飲酒運転」「傘を差したらダメ」など、自転車運転にも罰則があることは知られていますが、具体的な違反内容まで把握している人は少ないのではないでしょうか。
2026年4月からは、自転車の交通違反に対して「青切符(交通反則告知書)」制度が導入され、対象となる違反はなんと113種類にも上ります。
制度の概要
- 施行日:2026年4月1日
- 対象者:16歳以上の自転車運転者(16歳未満は青切符対象外。ただし14歳以上は赤切符や指導警告の対象になり得る)
- 目的:急増する自転車事故の抑止と交通ルール遵守の徹底
- 制度の特徴:青切符は軽微な違反に対し、反則金納付で刑事罰を免除。悪質な違反は「赤切符」対象
主な違反行為と反則金額
2025年6月に政府が定めた反則金は以下の通りです(基準は原付きバイクと同額):
- ながら運転(スマホ操作など):12,000円
- 信号無視:6,000円
- 逆走・歩道通行(通行区分違反):6,000円
- 一時不停止:5,000円
- 無灯火・ブレーキ不良・傘差し・イヤホン使用:各5,000円
- 並走・2人乗り:各3,000円
- 遮断機降下中の踏切侵入:7,000円
※支払いは交付から8日以内。未納付の場合は刑事手続きに移行し、前科が付く可能性も。
歩道通行ルールと注意点
自転車は原則として車道走行が義務。ただし、以下のケースでは歩道走行が認められます。
- 13歳未満・70歳以上・身体障害者
- 交通量が多く危険な車道、または標識による指定がある場合
歩道走行時のルール:
- 車道寄りを徐行(すぐ停止できる速度)
- 歩行者の進路を妨げる場合は一時停止
なお、通常の歩道通行は青切符の対象外ですが、危険な走行や警告無視などは6,000円の反則金が科されることがあります。
導入背景と世論の反応
- 背景:2024年改正道交法により青切符制度が決定。ながらスマホや信号無視が深刻な事故の原因に。
- 世論:「危険な自転車が多い」「抑止力になる」との賛成意見が多い一方、「車道整備が不十分」「罰金が高すぎる」との不安も根強い。
違反者の特定方法
警察官が現場で違反を確認し、氏名・住所・生年月日を記録。青切符には違反内容、金額、納付期限(8日以内)が明記され、データベースに登録されます。
再犯者は厳格対応:信号無視などの繰り返し違反は「赤切符」に移行する可能性もあります。
自転車と自動車の違反件数比較
車の違反行為数:110〜150種類
自転車の青切符対象:113種類(車と共通の違反に加え、自転車特有の違反が追加)
今から意識すべき5つのポイント
- 青切符の対象違反を知り、ルールを守る
- 安全装備の点検と保険加入(TSマーク・個人賠償責任保険など)
- 車道走行を基本に、自転車レーンを活用
- 警察庁・JAFなどの公式情報で最新ルールを把握
- 歩行者や他者への思いやりを忘れず、安全意識を高める
事故防止と保険の重要性
2024年の自転車事故件数は67,531件(前年比減少も、依然多い)。
高額賠償の例:加害者に1億円超の賠償命令が下された判例もあり、保険加入は必須。
※事故発生時は必ず警察へ通報(軽微な接触でも報告義務あり)。
まとめ|安全な自転車利用のために
自転車にも車と同等の交通ルールが課せられる時代が到来します。
違反の記録はデータベースに蓄積され、悪質な行為には刑事罰(赤切符)が科される厳しい制度です。
とはいえ、自転車は本来「手軽で便利な移動手段」。それを脅威にするのか、安全な存在に保てるのかは、私たち一人ひとりの意識と行動にかかっています。
2026年の制度開始を見据え、今から日常の運転を見直し、安全な未来に備えていきましょう。
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