2025年6月12日、インド・エアインディアのAI171便が墜落する重大事故が発生しました。
事故の概要
墜落が起きたのは、2025年6月12日午後1時39分（現地時間）。グジャラート州アーメダバードのサルダール・ヴァッラブバイ・パテル国際空港を離陸した直後、AI171便（ボーイング787-8型機）が市内のメガニナガル地区にある医科大学宿舎に墜落しました。
搭乗者と被害状況
- 搭乗者数：乗客230名、乗員12名の計242名
- 生存者：1名
- 機内死者：241名
- 地上の死者：少なくとも28名
- 合計死者数：269名
事故機の情報
事故機の登録記号はVT-ANB。2013年に初飛行を行い、2014年にエア・インディアへ納入されました。ボーイング787シリーズにおいて初の致命事故となります。
墜落直後の状況
離陸後30秒から1分以内に、機体は高度約625フィートで急降下。着陸脚が格納されないまま飛行していたとの映像と専門家による分析が報告されています。これは、機体に何らかの異常が発生していた可能性を示唆しています。
調査と対応
現在、インド航空事故調査局（AAIB）が中心となって調査を進めており、アメリカ国家運輸安全委員会（NTSB）、連邦航空局（FAA）、ボーイング、GEエアロスペースなどが技術支援を表明しています。事故後、アーメダバード空港は一時閉鎖され、遺族や被災者への支援活動も行われています。
事故原因の見通しと仮説
公式な原因は調査中ですが、現時点での有力な仮説として以下が挙げられています。
- エンジン出力に関する重大なトラブル
- 初期上昇中の飛行制御の喪失
- 着陸脚の異常は主原因ではなく、トラブル発生後の結果的な症状の可能性
今後、以下の手順で調査が進められる見込みです。
- ブラックボックス（CVR・FDR）解析による音声と機体データの確認
- 残骸分布・火災痕などの現場検証
- 映像証拠や目撃証言との照合
空の安全に向けて
近年は航空安全技術の進歩により、「史上最も安全な時代」と言われるようになっています。衛星通信や自動通報システムの導入など、システム面の向上が進んでいますが、それでもなお、事故の背景には人的要因（操縦ミス・手順逸脱）が影を落とすケースが多く見られます。
今回の事故は、改めて航空安全の課題を突きつけました。悲劇を繰り返さないためにも、迅速かつ徹底した調査と情報共有、そしてシステムと人的対応の両面からの改善が求められます。
1人でも多くの命を守るために、今後の空の安全性がより確実に高められていくことを強く願います。
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