信号無視から悲劇へ──17歳高校生がパトカー追跡中に事故死

2025年6月18日未明、兵庫県姫路市で、赤信号を無視したバイクがパトカーに追跡され、最終的にトラックと衝突し死亡する事故が発生しました。

亡くなったのは17歳の男子高校生。無免許で125ccバイクを運転しており、SNSでは「パトカーの追跡は妥当だったのか?」と議論が広がっています。


事故の概要

  • 日時:2025年6月18日 午前1時50分ごろ
  • 場所:兵庫県姫路市坂田町 県道の交差点

事故の流れ

  • パトカーが、赤信号を無視して右折する125ccバイクを発見
  • 「止まりなさい」と呼びかけるも、バイクは逃走
  • パトカーは赤色灯・サイレンを使用し、約400mを追跡
  • その後、バイクは別の交差点でも信号無視をし、走行中の中型トラックに衝突

運転していた高校生は意識不明の重体で搬送され、約1時間後に死亡が確認されました。


警察の対応とコメント

追跡はわずか数十秒で、速度も最大時速40~50km程度。姫路警察署の冨田副署長は「逃走車両を止めるために必要な行為だった」と説明しています。


SNSの反応

  • トラック運転手への同情の声
  • 高校生の無免許運転や親の責任を問う意見
  • 「パトカーが追わなければ…」と警察を批判する声も

無免許運転の現状と課題

無免許運転の摘発は2017年で約2万件、重大事故も推定で年間2万件に及びます。死亡事故の割合は不明ながら、若年層・バイク・逃走行為の傾向が共通点です。

罰則

  • 無免許運転:7年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 死亡事故を伴う場合:過失運転致死傷罪により、より重い懲役刑の可能性

パトカー追跡の実態とリスク

追跡中の死亡事故はどれくらい?

パトカー追跡に伴う死亡事故は年数件〜十数件とみられますが、正式な統計はありません。

追跡の基準

警察庁のガイドラインに基づき、重大違反や犯罪に対して赤色灯・サイレンを用いて短距離・低速で追跡する方針です。

課題

  • 現場判断の曖昧さ:追跡の開始・中止に明確な基準がない
  • 情報の非公開:追跡件数や結果が透明化されていない
  • 事故リスク:短時間でも二次被害が起こり得る

追跡に代わる方法はあるのか?

技術の進化により、ANPR(自動ナンバー読取)ドローン追跡などの代替手段も模索されています。

心理的配慮の提案

  • 低刺激な警告(青色灯・低音サイレン)
  • 間接的包囲、非接触型の追跡
  • 心理教育や運転抑止キャンペーン(HVE)

ただし、バイクや若年層への適用には限界もあり、追跡の完全撤廃は現実的ではないとされています。


まとめ──命を守るための「追跡の再考」

今回の事故は、たった数秒・数百メートルの追跡でも、命が奪われてしまう現実を浮き彫りにしました。

逃走した側に問題があるのは当然としても、追跡という手段そのものを、命のリスクという視点で見直すことは避けられません。

警察の立場としてもジレンマがある中で、今こそ必要なのは、透明性のあるルール・技術投資・国民への啓発です。

命の重さを見失わない社会へ。そのためにできることを、私たちも考え続けなければなりません。

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